子供の戯言

大人になる前に言っておきたいこと.

配慮に見る文理差

次の状況を考えてください.


あなたは椅子に座っています.
右隣に座っている同僚に,自分の膝の上にある鞄から書類を取り出して渡さなければなりません.
イメージしましたか?


さて,これは単なる知識問題で,「両手で渡す」が正解のはずなんですよね.
どちらかというと,立ち上がって相手の正面に行くことが必要だと思うけれど考えないことにしよう.
で,理由付けは「相手に気遣っていることを示すため」というのが普通.


ところで,なぜ両手で渡すと相手を気遣うことになっているかというのは,もちろん,「両手の方が紙が動かず,相手が受け取りやすいから」ですが,さっきの状況では両手で渡すことによって相手が受け取りやすくなったかというと疑問です.
どこかから聞いて覚えたルールを普遍の真理のように適用する,これこそ文系の発想だと思うのです*1
理系の発想では,

  • 法則はなぜ成り立つのかを知っていることが望ましく,
  • 用いた仮定が違っていたり,証明に不備があれば結論が変わってしまうもの

なんだと思っています.
そうやって,知識と自分の考察が一致しなかったときに知識を「分かっていながら捨ててしまう」のが理系の私の現状ですが,これに耐えられるようにならなければ社会でやっていけないと思います*2


ずるい手法だけれど,孔子の言葉を引用すると,「学而不思則罔 思而不学則殆」*3ですよ.

「異性の友人」が「恋人」でない理由

だいたい,私は「彼女をゲットする」*4などと言う人は好きではありません.
選挙に「出馬する」という表現を用いるのと同じ違和感と言えばよいのでしょうか,
確かに努力すれば達成できるものなのかもしれませんが,相手が自分を選んだことの主体性を否定していると思うわけです.


そういう,「彼女が欲しい」などという焦りに似た視点を離れて冷静に考察すると,「恋人」という関係が何を指しているかがよく分からなくなります.
事実,世の中には,「恋人」という関係性がそれなりにはっきり存在しますが,見えない概念を比べようとしても無理なので,行動で比較してみましょう.
私の観測範囲内にほとんどいない*5のであまり分かっていないですが,結局,肉体的な関係を求めるか否かぐらいしか違いが思いつかないです.
そういう認識であっているのでしょうか.


差別問題の誤った解決策

重いテーマを用いて書きたくはないので,具体例としては軽いものを.


私は別に血液型が人に(文化的な要因以外で)影響を及ぼすなんて考えてはいませんし,音楽も特定のジャンルだから嫌いという考えではないのですが,世の中はそこまで平和ではないように思われます.


血液型による性格診断というのは相場が決まっていて,
A型(40%)が無難によく,O型(30%)は可も不可もつけがたい評価を受け,B型(20%)がイジメの対象となり,AB型(10%)は異端とされる,
といった感じでしょうか.
人口比を考えると,最初に考えた人は悪賢いと言えます.
で,最近はどうかというと,そういう一方的な良い悪いに疑問を感じたのか,
今度は,B型の悪い点とされていた点が,
「大雑把とは言うものの,おおらかでよい」という評価を受けるようになっているらしいです.
これがおかしい.
血液型で差別的な状況になることについて,正しい解決策を与えるならば,血液型を考えないようにすることであり,
「だからこそ,良い面もある」というのは,血液型による判断の維持を狙っているものでしょう.


という,客観的に理解を得られそうな具体例を先に挙げたのち,今度はいわゆるオタクについて.
まあ,あえて言わずとも偏見があります.
そして,最近は
「オタクというのは,一つのことに熱中できるから,むしろ頭がよい人が多い」
という擁護のような意見が見られるようになりましたが,上の例を引き合いに出せば問題の解決には向かっていないように思います.
アニメソングがCDのランキングに入るだけで嫌がる人は曲を聴いているのでしょうか……


失敗の経験

成功をすれば,もちろん自信はつきますが,失敗をしなければ成長しないのではないかいう考えがよく起こります.
夕食時に流れていたテレビによれば,最近の児童は転んでケガをするという話でしたが,もっと他者との関係において.

おっと,

もうすぐ大人だ.こんな事はもう言ってはいられない.

*1:自分で考察することなしに知識を信じ込むことは論外なので,それよりは正しい判断だし,もっとも,社会的には最善でしょう

*2:「文系」「理系」という区分けは,どちらも出来る人やどちらも出来ない人がいて使いたくないけれど,上で書いたのはどちらの発想を優先しているかです

*3:座右の銘をこれに変えようかな……

*4:ポケモンのごとく

*5:「私の恋人」ではないことに注意