「アカとブルー」を通しクリアしたのでとりあえず弾幕STGについて思うところを書く
タノシマスの「アカとブルー」が超面白かった。
http://tanoshimasu.com/aka-to-blue/
まさか,2017年にケイブシューの新作が遊べるとは思わなかった……いや,まあ,厳密にはケイブ辞めた人が作った弾幕STGなんだけど。とにかく,どのあたりが感動ポイントなのかは伝わりにくそうだし,良い機会だから私が遊びたいゲームの条件みたいなことから書いてみる。
ゲームに求める「求められたいもの」
ゲームやってて「上手くなったなー」と思うときが楽しい,という派閥だと思う。そう仮定して,何を上達するのが楽しいのか。ぱっと思いつくのは以下の3つ。
認識
音ゲーの用語では,流れてきた譜面すべてを把握できること。より一般に,ゲームをどれくらい理解できているか,という側面。STGの場合上手くなると,自動車のベテラン運転手と同様に,敵や弾に正しく注意を払えるようになるような気がする。
あるいは,認識に必要なリソースをいかにして減らすかということ。音ゲーだと4分バスを自動化するとかの話。STGだと自機狙いを無視してランダム弾だけ見るとか,弾の列の先頭だけ見るとか。
判断
どのリスクをとるか選ぶこと。STGでは
- way弾の間に入るか,全体を大きく避けるか
- 前に出て速攻するか,下がって避けに徹するか
- 軸ずらしをいつ切り返すか
- ワインダー2列同時にくぐるか1列ずつくぐるか
など。判断によって何を認識すべきかは変わるし,そもそも
- 自機近くを注視するか,高速弾の着弾位置の予測をするか
という選択自体が判断と言ってよい気がする。
なぜ今時,弾幕STGをやるのか
「要するにプレイヤースキルが大事なゲームが好きなんでしょ」と言われたら困ってしまうが,あえて付け足すなら,弾幕STGはここで挙げた認識・判断・計画の3要素をバランスよく要求してくるのが好きだ。(他のゲームジャンルがそうでないとは言っていない。)
だいたい,認識が自明なら「計算問題」になるし,判断が自明なら「楽器演奏」になる。そして,計画が自明なら「職業訓練」ではないか。
攻略情報がすぐに出回る時代だけど
話を戻して,「アカとブルー」について。何が良かったかを一言で言うと,自力で攻略する経験ができたこと。
単純に「ネタバレを踏まずに済んだ」という意味では,配信直後に遊べたというのが大きい。冗談みたいな初見殺しにすらきっちり引っかかり,それを次に直すだけでも進捗を感じてモチベーション維持になっていた。
それに加えて「挫折させられるくらいに大きな壁がなかった」のが幸運だった。つまりは,ゲームの難易度要素の分布が自分のスペックと相性が良かった。具体的には,
- 面クリア制なので長時間の集中力は要求されない
- 弾道が曲がらないので認識しやすいし後から考えやすい
- ボムがストック制ではなくハイパーみたいなあれなので遠慮なく撃てる
これまでに遊んできた弾幕STGの中での「アカとブルー」の立ち位置
弾幕STGとの出会いは例によって東方シリーズ。永夜抄が詠唱組でnormalクリアできたくらいで,紅・妖・永・風・地とやってて他はeasyクリアのみ。あまり上手くないまま去ってしまったようなバックグラウンド。
その後,機会があってRebRankの五月雨を遊んだ(Extraの3面に入るところまでくらいやった)ことがあり,それとは別にカタテマのムラサキを遊んだら実はSTGだった(6面は投げた)のが「第2期」。今が「第3期」で,ゴ魔乙を始めたのをきっかけに,怒首領蜂一面番長をひと通りやって,ゲーセンで最大往生をやったら全然無理で(当然だ‥‥),そんな頃に大復活のsteam版が出たのでアケコンを買って家で練習しているところ。
整理しよう。
適当に遊んでいてもクリアできてしまったゲーム
- 東方シリーズのeasy
- ゴ魔乙(※スコアタは考えることが多い)
必要な知識は,奇数弾・偶数弾くらい。東方のeasyボスは「大きく誘導するだけ」とか「大回転するだけ」とかがあるのでそれらも知っているとなおよし。知識さえあればあまり考えなくてもクリアできてしまう。
早々に攻略情報を見たがクリアできなかったゲーム
- 東方シリーズのnormal以上(※永はマリス砲のおかげなので除外)
結局,どのスペルカードをボムで飛ばすかくらいしか工夫できなかった。それでも,気合避けがかなり要求された覚えがある。
それなりに自力で攻略が進んだがクリアできなかったゲーム
- 東方シリーズのextra(の道中)
- 五月雨
- 一面番長
- 大復活(1周)
弾幕STGに興味を持てているのはこのあたりのおかげ。全クリできてないせいで達成感が得られてないけど,それでも面白い。下手くそがSTGについて語るなよみたいなことは言わないでください。
自力で全クリできたゲーム
- アカとブルー
ということで,今回,初めてこの枠ができて,めでたしめでたし。
「アカとブルー」楽しみました
やばい,結局「アカとブルー」とあまり関係ない話ばっかり書いてた。まとめにくいので,時系列で回想しておしまい。
開発中の話はそこそこ前から聞いていて,配信開始を半年以上待っていた。配信開始は8/10でその日の夜に買って,8/11–13の連休の大部分をつぎ込んだような……。
ゲームのメカニクスの外,たとえば
- 道中の会話ボイスで話が進むのが良かった
- こんなに弾とアイテム描画して処理落ちしてないのすごい
なんかも良かった。このあたりの感想は他の人も書いているだろうしパス。
設定
- 操作感度:等倍(スライダーど真ん中)
- 自動座標補正:なし(スライダー左端)
- オートボムOFF(最初のバージョンではOFFがデフォルトだったが,今のバージョンではONになっているらしい?)
8/11(金祝)
1面は数回の試行ですんなりクリアしたはず。まあ,これくらいの弾幕STGの基礎知識はもともとあったということ。
2面はボスで苦戦した。気付いたら被弾してたみたいなことが多く,ボスの弾幕パターンの認識・理解の必要性を感じていた。
3面は道中が難しかった。この頃は,ボムの挙動は分かっていたけど良い使い方を分かっていなかった感じ。なかなかボスまで到達できなかったため,ボスの弾幕の避け方をあらかじめ考えておく作戦になった。
アカ・ブルー両方の自機でここまでクリアして初日は終了。
8/12(土)
4面を頑張った日。4面は開幕から難しく,「この調子で難しくなるんだったら,自分には全クリできないのでは」という気持ちが強かった時期。
苦手ないくつかの区間についてパターン構築した。「自機狙いが来たら左に避ける(右手で操作していて右側が隠れがちなので)」みたいな手癖で不味いことになる場所を修正するのから始まり,結局,注意すべき敵の出現順を完全に覚えることになってしまった。
ボスの弾幕を全然理解していなかったため,「道中を無被弾にして,ボスは気合避けとボム」みたいな攻略になってしまった。なんか運良く気合避けが通ってアカでクリア。
4面道中で決めボムが上手くなったような気がする。
この日はブルーではクリアできず。だって,ブルーのボムの発射方向の制御に気を取られて死ぬし。
8/13(日)
5面。
中ボスがやたら強くて,ボスにたどり着くのが限界。
8/14–17
連休中にクリアするあてが外れてしまったが,その後も毎日ちょっとずつやってた。5面やりつつ,前の面の稼ぎっぽいのとかノーミスとかノーボムとか。
アドリブで避けたりボムを適切に撃ったりする力もついてきて,「適当にボムったら詰んだ(自分にはできない気合避けを要求された)」みたいなのを覚えていく感じに。
中ボス戦は練習の結果かなり上手くなった(【ネタバレ削除】が【ネタバレ削除】で【ネタバレ削除】も分かった……)一方,ボス戦は全然理解できてなかった。
とはいえ,ボス到達回数が増えるとともにいくつかの作戦を検証できて,弾幕ごとに勝ちやすい作戦を実行したら何とかなった。ボス発狂到達2回目でクリア。発狂については1回目の挑戦で何が悪かったか分かったのでウィニングラン。
8/21
ブルーで4面と5面をクリア。
4面ボス,5面ボスの発見は増えた。中ボスは攻略しつくした感もあったが,完璧からは遠かったのでパターンの改良を余裕のあるとき(というより,道中被弾して捨てゲー気味なとき)に調べていた。
ブルーでの5面道中はアカの場合のパターンが微妙にはまらない箇所が結構あってパターン作り直し。
エピローグ部分,自機がアカでもブルーでも同じなのね……。
8/24–25
スコアタにも力を入れようかと思って得点条件を調べようとしたが,よく分からない。得点アイテムを取ったときだけでなく,敵の撃墜でも点が入っているように見える。「こういうのは動画撮らないと無理なのでは」と思って諦める。
4, 5面の勝率が上がってきたので全5面通しクリアを目標に。
4面開幕2被弾からクリアとか,5面ボス発狂まで行ったのに死亡とかいろいろあった。2, 3面も練習してないと危ない。
8/26
アカで通しクリア達成。演出は何もなかったような気がする……。クリア後,ステージセレクトの画面に戻ったときに,(5面ではなく)1面が選択された状態になっているほうが良いのでは。
ブルーの通しクリアはまだできてない。なんか,5面道中が安定しない。雑魚編隊の体当たりが凶悪な気がするんですが。
8/27–29
この日記書いてた。
補足
ゲームデザインの話じゃない
ゲームで上達したい要素について書いたことは,あくまで,ゲームを遊ぶ側の心構えについての一案。作る側,ゲームデザインにおけるゲームの「要素」の話はゲームデザインの専門家にどうぞ。
精度について
ゲームの場面・区間ごとにそれぞれ8割勝てるという技量になっても,そこから,それぞれ99%勝てる技量に引き上げようとすると新しい発見がある。操作精度を上げるだけでなく,パターンの組み直しが必要なこともある。これは面白い。
しかし,100点満点中100点をとる目標のゲームは厳しい。出来たときの達成感はあるけど。具体的には,音ゲーでフルコンボとか全Perfectとかを目指すのは辞めてしまった。音ゲーに限らず,合格ラインの高すぎるゲームは「攻略の幅が狭い」問題がありがちに思う。
それより「小さいミスの後,いかにリカバリーするか」というゲーム性の方が好き。「残機3固定でその場復活のゲーム」では一見100点満点中98点をとる目標になってしまうと思いきや,「アカとブルー」はボムが強くてリチャージもあるのでクリアに必要な合格点はかなり低い。(不用意にチャージ1以下になるのが「小さいミス」。)